抗生物質は風邪の特効薬でしょうか?
抗菌薬 (抗生物質)は細菌が増えるのを抑えたり、壊したりする薬です。しかし、細菌も様々な手段を使って、薬から逃げ延びようとします。
このように、微生物に対して薬が効かなくなることを、
「薬剤耐性」(英語でAntimicrobial Resistanceといい、AMRと略されます)と呼びます。
抗菌薬が使用されると、抗菌薬の効く菌はいなくなり、AMRをもった細菌が生き残ります。
その後、AMRをもった細菌は体内で増殖し、ヒトや動物、環境を通じて世間に広がります。
抗菌薬の不適切な使用はこれを助長します。風邪など抗菌薬が効かない感染症には使用せず、本当に必要なときに限って使うことが大切です。
このままでは、細菌感染症に使用できる薬剤がなくなってしまいます。
これに対し、世界保健機構(WHO)は2011年に、AMR問題を世界中で取り組むべき問題として取り上げました。
現在、未来に使える抗菌薬を残そうと、世界各国でAMRへの対策に取り組んでおり、当院でも適正な使用を心がけております。